
製造部・特殊加工課は、印刷物に付加価値を与える部門です。香り付きインクや触感のある加工、光沢やマット仕上げなど、見た目だけでなく五感で楽しめる印刷を実現します。
近年では、販促物やギフト商品において“香り”や“手触り”の需要が高まり、当課の役割はますます重要になっています。
ラベンダーとして生まれた私は、人に癒しを与えるのが好きです。香りには、人の記憶を鮮やかに呼び起こす力があると信じています。
入社してからは、香料インクの調合や香りの持続性を高める研究に取り組んできました。単なる“良い香り”ではなく、その印刷物を手に取った人が特定の情景を思い浮かべるような香りづくりを目指しています。
香りや手触りは、数字で評価しにくい要素です。それでも、そこに価値を見いだしてくれるお客様がいます。たとえばラベンダーの香りを添えたカレンダーは、あるお客様から「毎日ページをめくるのが楽しみになった」と言っていただけました。
そういう瞬間が、この仕事をしていて一番嬉しいです。
印刷物の色と香りが調和すると、作品はより深みを増します。
私にとって、色は香りの器であり、香りは色の影のようなもの。どちらか一方では成り立たない存在です。
だからこれからも、色と香りの関係を追い続け、人の心に残る“癒しの印刷”を届けていきたいと思います。
穏やかで落ち着く時間は、日常の中で意識しないとあっという間に過ぎてしまう。『to Dyeing Flowers』は、深呼吸をしたくなるような静かな余白をくれます。香りのように、そっと心に残る一曲です。